【航空法と罰則】ドローンを飛行させるときの違反行為は?

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無人航空機(ドローン等)を飛行する際には、運航に係るルールを守らなければいけません。
違反した場合、罰則の対象となる可能性があります。
技能証明を有する方は、罰則に加えて技能証明の取り消し等の行政処分の対象になる可能性もあります。

目次

違反行為と罰則の内容

違反行為罰則
事故が発生した場合に飛行を中止し負傷者を救護するなどの危険を防止するための措置を講じなかったとき2年以下の懲役又は
100万円以下の罰金
登録を受けていない無人航空機を飛行させたとき1年以下の懲役又は
50万円以下の罰金
アルコール又は薬物の影響下で無人航空機を飛行させたとき1年以下の懲役又は
30万円以下の罰金
・登録記号の表示又はリモート ID の搭載をせずに飛行させたとき
・ 規制対象となる飛行の区域又は方法に違反して飛行させたとき
・ 飛行前の確認をせずに飛行させたとき
・航空機又は他の無人航空機との衝突防止をしなかったとき
・他人に迷惑を及ぼす飛行を行ったとき
・ 機体認証で指定された使用の条件の範囲を超えて特定飛行をおこなったとき 等
50万円以下の罰金
・飛行計画を通報せずに特定飛行を行ったとき
・事故が発生した場合に報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき 等
30万円以下の罰金
・技能証明を携帯せずに特定飛行を行ったとき
・ 飛行日誌を備えずに特定飛行を行ったとき
・飛行日誌に記載せず、又は虚偽の記載をしたとき
10万円以下の罰金
登録を受けていない無人航空機を飛行させると厳しい罰則があります
 必ず機体登録、必要であれば飛行許可承認申請を行ったうえで飛行させてください。

上図の一部を次項で説明します。

飛行計画の通報

無人航空機(ドローン等)を飛行させる前に飛行計画(飛行の日時・経路・高度等)を国土交通省に通報しなければなりません。
「通報」というと、「違反している人を報告する」という印象があるかもしれませんが、言葉の意味通り「情報などを他人に伝える」と解釈してください。
事前に飛行計画を通報することによって、操縦者が側が他の無人航空機(ドローン等)の計画を知ることができるため、重複して飛行することが避けることができます。
飛行許可承認の申請をした後、飛行計画を国土交通省に通報してください。
※DIPSのシステム停止などで事前に通報ができないなど、やむを得ない場合は事後でも問題ありません

飛行日誌の記載

無人航空機(ドローン等)を特定飛行する操縦者は、飛行・整備・改造等の情報を遅滞なく飛行日誌に記載しなければなりません。
※特定飛行とは、航空法の規制対象となる無人航空機(ドローン等)の飛行方法です。

事故・重大インシデントの報告

無人航空機(ドローン等)に関する事故・重大インシデントに該当しそうな事案が発生した場合、その日時・場所・事案の概要等の報告を国土交通大臣に行わなくてはいけません。

こちらの内容は無人航空機操縦士の実地試験においても問われます。
無人航空機(ドローン等)を飛行させるかたであれば、これらの内容は最低限理解しておくべき内容です。

事故

人の死傷
(重症以上の場合)

物件の破損

航空機との衝突又は接触

重大インシデント

航空機との衝突又は接触の
おそれがあったと認めた場合

無人航空機による人の負傷
(軽傷の場合)

無人航空機の制御が不能となった場合

無人航空機が発火した事態
(飛行中に発火したものに限定)

負傷者発生時の救護義務

無人航空機(ドローン等)に関する事故・重大インシデントが発生した場合、速やかに以下の行動をしなければいけません。
・ただちに飛行を中止させる
・負傷者を救護する
・事故又は重大インシデントが発生した日時及び場所等を国土交通大臣に報告する
・事故等の状況に応じて、危険や被害の拡大を防止するために必要な対処をする

負傷者の救護

消防への報告や消火活動

警察への事故の概要の報告

アルコール又は薬物の影響下で無人航空機を飛行させたとき

アルコール等の摂取時には注意力・判断力が低下し、無人航空機(ドローン等)を正常に飛行できないおそれがあるため禁止している。

ここで、「アルコール」とは、アルコール飲料やアルコールを含む食べ物をいうも
のとする。
アルコールによる身体への影響は、個人の体質やその日の体調により異なるため、
体内に保有するアルコールが微量であっても無人航空機の正常な飛行に影響を与え
るおそれがある。このため、体内に保有するアルコール濃度の程度にかかわらず体内
にアルコールを保有する状態では無人航空機の飛行を行わないこと。
また、「薬物」とは、麻薬や覚醒剤等の規制薬物に限らず、医薬品も含まれるもの
とする。

無人航空機に係る規制の運用における解釈について(令和5年1月 26 日 最終改正)

体内にアルコールが残っている状態で公共の場所でドローンを飛行させた場合、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。

ここで「公共の場所」とは、公衆すなわち不特定多数の者が自由に利用し
又は出入りすることができる場所をいい、道路、公園、広場、駅等がこれに含まれ得る。

無人航空機に係る規制の運用における解釈について(令和5年1月 26 日 最終改正)

飛行前確認を行うこと

故障等による落下を防止するため、飛行に必要な準備が整っているかを点検後にドローンを飛行させることになっています。

確認事項と具体例

①外部点検および作動点検などの日常点検を実施し、日常点検記録に記録する
②ドローンを飛行させる空域及びその周囲の状況を把握する
 具体例:飛行経路に航空機・他の無人航空機が飛行していないことの確認
     飛行経路に第三者がいないことの確認
③飛行に必要な気象情報を確認すること
 具体例:風速・気温・降雨量が運用限界の範囲内であることの確認
     十分な視程が確保されていることの確認

④燃料の搭載量またはバッテリーの残量を確認すること

航空機又は他の無人航空機との衝突防止をしなかったとき

航空機または他の無人航空機との衝突を予防するように飛行させないといけません。(無人航空機より有人航空機の方が強く、優先させないといけない)
無人航空機(ドローン等)を飛行させる際、飛行経路上およびその周辺の空域において飛行中の航空機・他のドローン等を確認し、衝突のおそれがある場合、自身が操縦中のドローン等を地上に降下さたり、別の方向に飛行させたり、空中で停止しなければいけない。
また、他のドローン等と衝突のおそれがない場合でも他のドローン等との間に安全な間隔を確保し飛行させないといけません。

他人に迷惑を及ぼすような方法での飛行禁止

急降下したり、不必要に騒音を発してドローンを飛行させる行為は、周りに不快感を与えます。
それだけではなく、そのような行為は危険を伴うこともあるので、他人に迷惑を及ぼすような方法での飛行を禁止しています。
「他人に迷惑を及ぼすような方法」とは、人に向かってドローンを急接近させることなどをいいます。

機体登録を行わないでの飛行

2022年6月20日以降は機体登録していないと、飛行許可承認が下りません。
機体登録記号を許可承認申請時を紐づけて申請する必要があります。
機体登録と異なる記号が入力されていたら、許可承認がおりません。

ドローンを飛行させる際の違反行為・罰則のまとめ

ドローンを飛行させる際に運航に係るルールに違反した場合、以下のような罰則があります。

違反行為罰則
事故が発生した場合に飛行を中止し負傷者を救護するなどの危険を防止するための措置を講じなかったとき2年以下の懲役又は
100万円以下の罰金
登録を受けていない無人航空機を飛行させたとき1年以下の懲役又は
50万円以下の罰金
アルコール又は薬物の影響下で無人航空機を飛行させたとき1年以下の懲役又は
30万円以下の罰金
・登録記号の表示又はリモート ID の搭載をせずに飛行させたとき
・ 規制対象となる飛行の区域又は方法に違反して飛行させたとき
・ 飛行前の確認をせずに飛行させたとき
・航空機又は他の無人航空機との衝突防止をしなかったとき
・他人に迷惑を及ぼす飛行を行ったとき
・ 機体認証で指定された使用の条件の範囲を超えて特定飛行をおこなったとき 等
50万円以下の罰金
・飛行計画を通報せずに特定飛行を行ったとき
・事故が発生した場合に報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき 等
30万円以下の罰金
・技能証明を携帯せずに特定飛行を行ったとき
・ 飛行日誌を備えずに特定飛行を行ったとき
・飛行日誌に記載せず、又は虚偽の記載をしたとき
10万円以下の罰金
登録を受けていない無人航空機を飛行させると厳しい罰則があります
 必ず機体登録、必要であれば飛行許可承認申請を行ったうえで飛行させてください。

「知らなかった」では済ますことができないので、しっかりと身に着けておきましょう。

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監修者

行政書士かわさき事務所
ドローン法務を専門とする行政書士
ドローンに関連する事業者様、個人のお客様のサポートをしながら、私自身もドローンの操縦者として練習中です。
二等無人航空機操縦士の資格も取得しました。
ドローンを実際に操縦するからこそ、ドローンの楽しさ、危険性、将来性など、身近に感じることができます。
ドローンに関する幅広い提案ができると考えております。

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