ドローンビジネスの現状と将来性【空撮、農業、点検、土木・建設など】

  • URLをコピーしました!

テレビでドローンを使った映像を観ない日はないのではないか?というくらい、ドローンが身近なものになってきました。
新型コロナウィルスの流行によって旅行が困難になっていた時期に、日本各地、世界各国の絶景を観ることができて癒された方も多いのではないでしょうか。
「ドローン=空撮」と思われている方もいるかもしれませんね。
実は、テレビ・映画・CMなどで観ているドローンによる空撮は、ドローンの活用のごく一部であり、その他に様々な業界で利用されています。
今回は、ドローンを活用している業界について紹介していきます。
あなたのビジネスの何かのヒントになれば幸いです。

目次

ドローン業界の市場規模は3,000億円!!

まずはドローンの市場規模について紹介します。
ドローン業界の市場規模は2021年度で約2,300億円2022年度は約3,000億円を超えました。
今後2028年度には9000億円超の市場規模になるとも言われています。
ちょっと想像ができませんよね。
参考になるかはわかりませんが、
電子書籍の市場規模が 3,000~4,000億円
100円ショップの市場規模が9,000億円超とされています。
今後、認知度が上がる市場規模になっていくことが予想されています。
ドローン業界と言えば、空撮が身近なものとなっていて、市場規模も多いのかと思いきや、割合で言えば全体の3.3%となっており、農業29%、点検38%、土木・建築13%と比べると小さな規模となっています。

ドローンが活躍している業界とは?

ここからは、ドローンが活躍している業界を紹介します。

①物流とドローン

物流業界は、ドライバーの人手不足や働き方等が問題視されており、物流とドローンとの相性も良いので注目されています。
国土交通省もドローン物流の社会実装に向けて~「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」を公募~を掲げています。

ラストワンマイル
物流におけるラストワンマイルとは、最終拠点からエンドユーザー(注文した顧客)への物流サービスのことをいいます。

市場拡大の伸び率も高いですが、実際に物流業界でドローンが活躍するのはまだ先と考えられています。その理由は、ドローンそのものの課題にあります。
・バッテリーが持たない(数十分、もって1時間)
・持つ重さによってもバッテリーの持ちが短くなる
数十分しかもたないバッテリーで本格的な物流活用は厳しいと考えられています。
これらの課題を克服するためには
・バッテリーそのものを改良する
・ドローンを充電できる場所を作ることによってカバーする
という議論がされています。
バッテリー開発より、充電できる場所を日本各地に作る方が有力なのではないかとも言われています。
実証実験のためのドローンの飛行申請は増えていますが、実証実験がうまくいっても世の中に普及するのはまだまだ先になります。市場規模としては緩やかに伸びていくと予想されています。

実現が1番早いと言われているのが離島間での物流です。
船だと燃料も時間もかかるところを、ドローンだと10~15分(2~3㎞)で運ぶことができます。
10~15分で運べる物は10~15kgくらい。
少しの物資、医薬品なら船より早く届けることが可能。
ただ、離発着地にバッテリーを交換するための人件費がかかるため、赤字となり実用化にはまだ難しいようです。
過疎地の物流に関してもドローンの活躍が期待されています。
日本郵便では、福島県で郵便局間のレターパックの移動をドローンを使って自動化する実験を行われています。
このように、人がいないところ・離島については現時点でもドローンの利用が有効と考えられています。しかし、街中での利用に関しては、課題がたくさんあり、実現するのはまだまだ先になりそうです。

②防犯とドローン

ドローンの利用が期待されている業界です。
施設内の巡回をドローンが行ったり、自動操縦で侵入者を追いかけたりとドローンの活躍の場は多いです。
アルソック、セコム等の大手の警備会社での取り組みはかなり進んでいます。

③農業とドローン

農業は、最も早くドローンを活用させた業界です。
2017年度のドローンの市場規模は約155億円。
そのうち農業が108億円と約70%を占めています。
2022年度は約460億円と市場規模を拡大し続けています。
農業での代表的なドローンの活用例は、農薬散布です。
元々、ラジコンヘリ(産業用の無人ヘリコプター)を利用して農薬散布を行っていた農家では、ラジコンヘリより安価で購入でき、操縦が簡単、自分のタイミングで散布できる等のメリットも多く急速に普及しています。
農薬散布の他にも、肥料散布、種まき等でもドローンは活躍しています。

④土木・建築とドローン

土木・建築のドローンの活用は農業に次いで早い時期から始まっています。国土交通省も土木・建築業界でのドローンの活用を推進していることもあり、公共の測量は2018年辺りからドローンが使われています。市場規模は2021年度は100億円を超え、2022年度で200億円を超え、急速にドローンの活躍の場が広がっています。今後も市場規模は拡大していくと考えられています。

⑤空撮とドローン

テレビで観ない日はないくらいドローンによる空撮映像は一般の方にも広がっています。
ドローンと言ったら空撮とイメージする方も多いでしょう。
しかし、市場規模は53億円と、農業、点検、土木・建設の業界と比べると小さいです。

⑥点検とドローン

2017年には5億円の市場規模でしたが、2022年度には600億円超え、2028年には2000億円を超えると予想されています。

外壁調査


建築基準法で定期的に点検しないといけない制度がある
これまではロープでつり下がったり、ゴンドラを使用して打診調査等をしましたが、ドローンの赤外線による調査も認められたので、危険性や人件費が減ったため市場規模が拡大しています。
今後、インフラの老朽化により、ドローンによる点検が増えていくと考えられています。
ソーラーパネル点検
正常に動いていない(発電できていない)部分を点検し、修繕することによって発電効率を上げることができる。

屋根点検・塗装


屋根の点検は、中小企業でもドローンが活躍している。
屋根に上って点検しなければいけなかったものがドローンによって手軽・安全に点検ができるようになっている。ドローンを飛ばし、映像を依頼主に見せながら説明もできるので信用度も高まります。

⑧災害対応・救助とドローン


赤外線カメラで遭難者の捜索、被災状況の確認(車が入ることができない場所)で利用されている。
浮き輪等をドローンから落として、溺れている人を助けるという活用法もあります。

⑨スポーツとドローン

サッカーやラグビー等の練習風景を撮影し、戦術分析や指導に活用されている。
また、ドローン自体を用いたレースなども開催されています。

ドローンビジネスの現状と将来性のまとめ

ドローン業界の市場規模は、2022年度で3,000億円を超えました。
今後ますます市場が拡大していくと予想されており、空撮以外の業界においてもドローンが身近な存在となっていくことは間違いないでしょう。
現在特に注目されているのが、ドローンによる点検です。2017年度に約5億円の市場規模だったのが、2022年度には600億円超え、2028年には2,000億円を超えると予想されています。
インフラの老朽化によって、ますますドローンが活躍する場所が増えると期待されています。

ドローンに関するご相談に
丁寧にお答えします

お気軽にお問い合わせくださいませ

受付時間:9:00~20:00【土日祝対応】

メール・LINEでのお問い合わせは、24時間受け付けております

監修者

行政書士かわさき事務所
ドローン法務を専門とする行政書士
ドローンに関連する事業者様、個人のお客様のサポートをしながら、私自身もドローンの操縦者として練習中です。
二等無人航空機操縦士の資格も取得しました。
ドローンを実際に操縦するからこそ、ドローンの楽しさ、危険性、将来性など、身近に感じることができます。
ドローンに関する幅広い提案ができると考えております。

目次