【注目】DJI Mini 4 Proが型式認証取得。柔軟な特定飛行が運用できるように。

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【注目】DJI Mini 4 Proが型式認証取得。柔軟な特定飛行が運用できるように。

2025年5月23日、日本国内で販売されているDJI社製品として初めて「Mini 4 Pro」が国土交通省の第二種型式認証を取得しました。これはドローンを活用する全てのユーザーにとって大きな前進であり、より柔軟な運用が可能になる大きなステップです。

本記事では、このニュースの意義を解説するとともに、型式認証、機体認証、技能証明制度の概要をわかりやすくご紹介します。


目次

型式認証とは?Mini 4 Proの取得が意味すること

型式認証とは、ドローンの設計・性能・構造が国の安全基準を満たしているかを確認する制度です。これにより、同一型式の機体であれば、個別の機体ごとに厳密な審査を行わなくても、安全性が認められたものと見なされます。

Mini 4 Proは重量わずか249gという軽量機体ながら、4K/60fps HDR動画、全方向障害物検知、アクティブトラックなどの高機能を搭載したモデルであり活用が期待されます。

型式認証の取得により、従来であれば許可が必要だった「特定飛行」のうち、催し場所上空での飛行以外については、条件を満たすことにより許可・承認申請が不要となります。

  • 人口集中地区(DID)上空の飛行
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 人や建物から30m以内の飛行
  • 催し場所上空の飛行 ※別途、承認申請が必要

これらの飛行は操縦者が二等以上の技能証明を保有し、第二種機体認証を受けた機体を飛行させることが条件となります。
なお、夜間飛行や目視外飛行については、技能証明のそれぞれの限定解除が必要となります。


型式認証・機体認証・技能証明の違い

ドローンの飛行には、安全性確保のための制度が設けられています。

  • 型式認証:メーカーが設計した機体の構造・性能が基準を満たしているかを審査(量産機対象)
  • 機体認証:個々のドローン機体が安全基準に適合しているかを検査(個別機体対象)
  • 技能証明:操縦者が国家資格を取得し、飛行に必要な知識・技能を持っているかを確認

型式認証取得済みの機体は、機体認証手続きが簡略化され、効率的に運用可能になります。

機体認証と技能証明制度のポイント

今回のMini 4 Proは、型式認証を取得しているため、機体ごとの「機体認証」の手続きが非常に簡単になります。これにより、事業者がよりスムーズにドローン活用に踏み出すことができるようになりました。

また、「技能証明制度」は2022年12月よりスタートした制度で、ドローン操縦の国家資格です。資格は一等・二等に分かれ、機体認証を受けたMini 4 Proを特定飛行で運用するには「二等無人航空機操縦士」以上の保持が必要となります。技能証明である無人航空機操縦士の資格は、登録講習機関での講習受講と修了審査を経て、学科試験に合格し、身体検査に合格することで取得できます。


Mini 4 Proがもたらすユーザーへのメリット

これまでの制度では、DID+夜間や夜間+目視外の特定飛行には、国土交通省への個別申請が必要でしたが、機体認証+技能証明の組み合わせにより、許可・承認申請が不要となります。これにより、時間と手間、コストが大きく削減されます。


今後の期待

今回の型式認証取得は、世界最大のドローンメーカーであるDJI社が、明確に「日本市場を重視している」姿勢を示したものとも言えます。これまで日本の制度は、海外メーカーにとって参入障壁が高いとされてきました。しかし、Mini 4 Proの認証取得により、同社が日本の法制度に適合した製品開発と展開を進めていることが明らかになりました。

今後は、DJIの上位機種であるMavicMatriceなどへの型式認証の派生が期待されます。これにより、測量・点検・捜索などの現場で使われるハイエンド機においても、特定飛行の手続き簡素化や飛行自由度の拡大が現実のものとなるでしょう。

特に、これまで複雑だった業務用ドローンの法制度対応が、型式認証によって一気にハードルが下がることで、より多くのユーザーが「本当に現場で使えるドローン運用」を実現できる時代が近づいています。


まとめ

2025年、DJI Mini 4 Proが国土交通省の第二種型式認証を取得したことは、日本におけるドローン運用環境に大きな変化をもたらしました。これにより、技能証明を取得したユーザーであれば、これまで申請が必要だった多くの特定飛行が、より簡単かつ安全に実施できるようになります。

さらに、今回の認証取得は、DJI社が日本市場を重要視している姿勢の表れでもあります。今後、MavicシリーズやMatriceシリーズといった上位機種にも型式認証が広がれば、個人から法人まで、幅広いユーザー層が制度のメリットを享受できるようになるでしょう。

制度の整備と機体性能の進化が重なり合う今、ドローンは「飛ばせる空」から「活かせる空」へと進化を遂げつつあります。Mini 4 Proの型式認証取得は、その未来に向けた第一歩です。


監修者

行政書士かわさき事務所
ドローン法務を専門とする行政書士
ドローンに関連する事業者様、個人のお客様のサポートをしながら、私自身もドローンの操縦者として練習中です。
二等無人航空機操縦士の資格も取得しました。
ドローンを実際に操縦するからこそ、ドローンの楽しさ、危険性、将来性など、身近に感じることができます。
ドローンに関する幅広い提案ができると考えております。

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