【2026年版】ドローン国家資格(無人航空機操縦士)とは|一等・二等の違い・取得方法・有効期限を行政書士が解説

この記事のポイント
  • ドローン国家資格(無人航空機操縦者技能証明)は2022年12月5日にスタート。一等・二等の2区分がある
  • 国土交通省の公式サイトに記載のとおり、カテゴリーI・IIの飛行では技能証明の取得は必須ではない。飛行許可承認申請で代替可能。ただしレベル3.5・レベル4飛行では技能証明が必須
  • 取得ルートは①登録講習機関ルート(実地試験免除)②指定試験機関での直接受験の2つ
  • 有効期限は交付日から3年。2025年から更新が順次開始されており、登録更新講習機関での更新講習が必要
  • 2025年12月5日をもって民間資格による申請簡略化措置は廃止。民間資格に法的効力はなく、国家資格とは別物

2022年12月5日、航空法の改正により「無人航空機操縦者技能証明制度」が開始されました。いわゆるドローン国家資格(ドローン免許)です。

制度開始から3年以上が経過し、更新制度も始まり、民間資格の簡略化措置廃止など制度を取り巻く状況も大きく変化しています。この記事では、国家資格の取得を検討されている方、すでに取得済みで更新を控えている方に向けて、2026年時点の最新情報をもとに行政書士の視点から解説します。

目次

無人航空機操縦者技能証明とは

無人航空機操縦者技能証明とは、無人航空機を飛行させるのに必要な技能(知識及び能力)を有することを証明する資格制度です(航空法第132条の47)。国土交通大臣が行うものであり、試験の実施は指定試験機関(一般財団法人日本海事協会)が担っています。

国土交通省の公式サイトでは「無人航空機操縦者技能証明書の取得は、全ての無人航空機の飛行において必須事項ではありません」と記載されています。ただしこれはカテゴリーI・IIの飛行を前提にした記述です。レベル3.5飛行(特定の目視外飛行)やレベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)を行う場合は技能証明の取得が必須となります。飛行の内容によって要否が異なる点に注意が必要です。

技能証明は一等二等の2区分があり、それぞれ対応できる飛行の範囲が異なります。また機体の種類(マルチローター・ヘリコプター・飛行機)や、夜間飛行・目視外飛行・最大離陸重量25kg以上の飛行については限定変更の手続きにより追加することができます。

国土交通省が規制改革推進会議に提出した資料では、現在「飛行機」に区分されているVTOL(垂直離着陸型無人航空機)について、「垂直離着陸型(VTOL)」と「垂直離着陸型以外(VTOL以外)」に分けた新たな種類区分の新設を検討している旨が示されています。2026年中の新設に向けた調整が報じられていますが、施行時期の確定情報は2026年6月時点で国土交通省から公表されていません。今後の動向に注目してください。

一等・二等の違い

項目一等無人航空機操縦士二等無人航空機操縦士
対応飛行カテゴリーIII飛行(レベル4飛行)に対応カテゴリーII飛行に対応
レベル4飛行第一種機体認証との組み合わせで許可・承認を受けて飛行可能不可
申請簡略化第二種機体認証との組み合わせでカテゴリーIIBの申請省略可能(カテゴリーIIAは引き続き申請必要)第二種機体認証との組み合わせでカテゴリーIIBの申請省略可能
学科試験あり(二等より出題範囲が広い)あり
実地試験あり(登録講習機関ルートで免除)あり(登録講習機関ルートで免除)
身体検査あり(より厳格な基準)あり
登録免許税あり(3,000円)なし
「レベル4飛行」とは、有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行を指します。物流・インフラ点検・災害対応など、ドローンの本格的な社会実装に向けて一等資格の重要性は高まっています。
一等資格があれば自動的にレベル4飛行ができるわけではありません。第一種機体認証を受けた機体の使用に加え、運航管理体制の整備が必要です。この運航管理体制の整備は実務上ハードルが高く、飛行のリスク評価に基づく飛行マニュアルの作成、緊急時対応手順の整備、運航体制の確保など、相当な準備が求められます。レベル4飛行を検討する場合は、早めに専門家への相談をおすすめします。

技能証明が必要なケース・不要なケース

技能証明が必要かどうかは、飛行の内容によって異なります。以下に代表的なケースをまとめます。

飛行のケース技能証明の要否
レベル4飛行(有人地帯・補助者なし・目視外)一等資格が必須(第一種機体認証+許可・承認も必要)
特定飛行を行う場合(機体認証あり・技能証明あり)カテゴリーIIB相当の飛行が可能(飛行許可承認申請が不要になる場合がある)
特定飛行を行う場合(機体認証なし・技能証明あり)飛行許可承認申請が必要。レベル3.5飛行の場合は技能証明が必須
特定飛行を行う場合(機体認証なし・技能証明なし)飛行許可承認申請が必要
特定飛行に該当しない飛行技能証明・申請ともに不要
「特定飛行」とは、航空法第132条の85及び第132条の86に該当する禁止方法による飛行のことを指します。具体的には夜間飛行・目視外飛行・人や物件から30m未満・DID地区上空・高度150m以上・イベント上空・危険物輸送・物件投下が該当します。これらに該当しない飛行であれば、技能証明も飛行許可承認申請も不要です。

技能証明の取得ルート

技能証明の取得ルートは大きく2つあります。

ルートA:登録講習機関を経由するルート(実地試験免除)

国土交通省の登録を受けた登録講習機関で所定の講習を受講し、修了審査に合格すると、指定試験機関での実地試験が免除されます。自動車免許でいう教習所ルートに相当します。

1
DIPS2.0で本人確認・技能証明申請者番号を取得
マイナンバーカード・運転免許証・パスポート等で本人確認を行います。完了すると「技能証明申請者番号」が取得できます。
2
登録講習機関を選び受講申請
国交省に登録された講習機関に受講申請を行います。機関によって費用・講習日程・カリキュラムが異なります。
3
講習受講・修了審査
学科・実地の講習を受け、修了審査(学科・実地)に合格すると修了証明書が発行されます。
4
指定試験機関で学科試験・身体検査を受験
学科試験はプロメトリック社が運営するCBT会場で受験します。身体検査については、一等25kg以上の限定変更を除き、運転免許証の提示で代用できます(書類検査)。実地試験は登録講習機関ルートでは免除されます。
5
DIPS2.0で交付申請・技能証明書を受領
学科試験・身体検査の合格後、DIPS2.0から交付申請を行います。手数料と(一等のみ)登録免許税3,000円が必要です。

ルートB:指定試験機関で直接受験するルート

登録講習機関を経由せず、指定試験機関(日本海事協会)で学科試験・実地試験・身体検査すべてを受験するルートです。自動車免許でいう「飛び込み試験」に相当します。実地試験の難易度は高く、練習場所・機体の確保も自己手配となります。

学科試験はプロメトリック社が運営するCBT会場で受験します。試験日の60日前から最短で3営業日前(土日の場合は4営業日前)まで予約可能です(プロメトリック社の試験案内ページに記載)。
実地試験は日本海事協会が運営・実施します。会場は全国に設けられており、指定試験機関のシステム(ua-remote-pilot-exam.com)から申し込みます。

有効期限と更新制度

技能証明の有効期限は交付日から3年間です。制度開始が2022年12月5日であるため、2025年12月以降から順次更新が必要な時期を迎えています。

項目内容
有効期限交付日から3年間
更新受付開始有効期限の6ヶ月前から
更新手続き登録更新講習機関で更新講習を受講し、DIPS2.0から更新申請
失効した場合失効再交付講習を受け、再交付申請が必要
有効期限を過ぎると技能証明は失効します。失効後に技能証明に基づいた飛行を行うことはできません。更新手続きは余裕をもって行ってください。

民間資格との違いと2025年12月の簡略化廃止

国家資格制度の開始以前、ドローンの飛行許可承認申請においては、航空局ホームページに掲載された管理団体・講習団体(いわゆる民間資格)を保有することで、申請書類の一部を簡略化できる措置がとられていました。

しかし2025年12月5日をもって、この簡略化措置は廃止されました

項目民間資格(JUIDA・DPA等)国家資格(技能証明)
根拠各民間団体の独自認定航空法に基づく国土交通大臣の証明
法的効力なしあり
申請簡略化2025年12月5日で廃止機体認証との組み合わせで一部省略可能
レベル4飛行不可一等+第一種機体認証の組み合わせで、許可・承認を受けて飛行可能
民間資格は各団体が提供する教育サービスとして引き続き存在しますが、航空法上の効力はありません。民間資格を保有していても、飛行許可承認申請では国家資格とは別に申請書類を揃える必要があります。

技能証明と飛行許可承認申請の関係

技能証明と飛行許可承認申請は別の制度です。混同されることが多いため、整理します。

状況対応
技能証明あり・機体認証あり特定飛行を行う場合、カテゴリーIIBに相当する飛行は飛行許可承認申請が不要になる場合がある。レベル4(カテゴリーIII)飛行は一等資格+第一種機体認証が必須
技能証明あり・機体認証なし特定飛行を行う場合は飛行許可承認申請が必要。技能証明だけでは申請は省略できない。レベル3.5飛行の場合は技能証明が必須
技能証明なし・機体認証なし特定飛行を行う場合は飛行許可承認申請が必要
特定飛行に該当しない飛行技能証明・申請ともに不要
「技能証明を取得すれば申請が不要になる」という誤解が多く見受けられます。実際には機体認証との組み合わせが必要であり、機体認証を受けていない機体(型式認証のみの機体も含む)では、技能証明があっても申請は省略できません。

飛行許可承認申請の代行は行政書士が行うことができます。技能証明の取得・不取得にかかわらず、申請書類の準備や申請手続き全般についてお気軽にご相談ください。

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技能証明を取得すると有利になる場面

必須ではないものの、以下のような場面では技能証明の取得が実務上の利点となります。

場面内容
レベル4飛行を行いたい場合一等資格(+第一種機体認証)が必須。物流・インフラ点検等の本格的な事業展開に不可欠
機体認証機体で飛行する場合技能証明と機体認証の組み合わせで、特定飛行の一部について飛行許可承認申請を省略できる
業務・取引先への信頼性確保国家資格として法的根拠があるため、発注者・委託先・保険会社等への説明において客観的な証明となる
農薬散布での承認不要飛行令和8年3月23日施行の改正により、技能証明の保有が承認不要で農薬散布を行うための要件の一つとなった

よくある質問

ドローン国家資格(技能証明)は必須ですか?
飛行の内容によって異なります。国土交通省の公式サイトには「必須事項ではありません」と記載されていますが、これはカテゴリーI・IIの飛行を前提にした記述です。レベル3.5飛行(特定の目視外飛行)やレベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)を行う場合は技能証明の取得が必須となります。カテゴリーI・IIの飛行であれば、技能証明がなくても飛行許可承認申請を行うことで特定飛行は可能です。
一等と二等の違いは何ですか?
一等無人航空機操縦士は、有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)に必要な資格です。二等無人航空機操縦士は、カテゴリーII飛行に対応した資格で、機体認証と組み合わせることで一部の飛行許可承認申請を省略できます。
技能証明の有効期限はいつですか?
技能証明の有効期限は交付日から3年間です。失効前に登録更新講習機関で更新講習を受け、更新手続きを行う必要があります。更新講習の受講申請は有効期限の6ヶ月前から可能です。
登録講習機関で受講すると実地試験は免除されますか?
はい、免除されます。国土交通省の登録を受けた登録講習機関で所定の講習を修了し、修了審査に合格すると、指定試験機関(日本海事協会)での実地試験が免除されます。学科試験と身体検査は引き続き必要です。
民間資格(JUIDAやDPA等)と国家資格はどう違いますか?
民間資格は各団体が独自に認定する資格であり、航空法上の効力はありません。一方、国家資格(無人航空機操縦者技能証明)は航空法に基づき国土交通大臣が行うものです。なお、2025年12月5日をもって、民間資格を用いた飛行許可承認申請の簡略化措置は廃止されました。
技能証明なしで飛行許可承認申請はできますか?
はい、できます。技能証明を取得していなくても、飛行許可承認申請(個別申請・包括申請)を行うことで特定飛行は可能です。行政書士に申請代行を依頼することも可能です。
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