【令和8年5月29日施行】登録講習機関等監査実施要領・細則の改正と監査実施団体がすべき事務規程の変更

- 施行日:令和8年5月29日|登録講習機関等監査実施要領・細則が一部改正されました
- 監査員の資格要件が見直し|一等・二等の区分が統合され、要件が整理されました
- 監査チェックリストが更新|技能証明書返納証明書交付者講習に関する項目が新設されました
- 監査実施団体は事務規程の変更・変更届出が必要|改正内容との整合性を確認してください
令和8年5月29日、国土交通省航空局より「登録講習機関等監査実施要領」および「登録講習機関等監査実施細則」の一部改正が施行されました(国空無機第351396号)。
これらの要領・細則は、登録講習機関等監査実施団体が自団体の事務規程の根拠として準用しているものです。改正に伴い、監査実施団体は事務規程の内容が改正後の要領・細則と整合しているか確認し、必要に応じて変更届出を行う必要があります。
改正の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改正文書 | 登録講習機関等監査実施要領・登録講習機関等監査実施細則 |
| 施行日 | 令和8年5月29日 |
| 根拠通知番号 | 国空無機第351396号 |
| 対象 | 登録講習機関等監査実施団体 |
| 監査実施要領(最新版) | 国土交通省PDF(001598305)|令和8年5月29日一部改正版 |
| 監査実施細則(最新版) | 国土交通省PDF(001598307)|令和8年5月29日一部改正版 |
監査実施要領の主な改正ポイント
令和7年6月23日版と令和8年5月29日版を比較した結果、以下の変更が確認されました。
① 監査対象範囲の明確化(3-1・3-2-1)
計画的監査の対象箇所が「所在地及び事務所」から「本部及び事務所」に変更されました。これに合わせて、本部・事務所の定義が実施基準の冒頭に明文化されています(本部=最終責任・決定権を持つ組織、事務所=申請した講習事務を行う事務所)。
② 実施頻度の明確化(3-2-1(1))
改正前は「事業年度ごとに設定」という表現でしたが、改正後は「本部及び事務所のそれぞれについて、毎事業年度1回以上」と明確化されました。複数事務所がある場合は「それぞれの事務所ごとに毎事業年度1回以上」とする規定も追加されています。
③ オンライン監査・実地監査の規定整理(3-2-1(2)〜(6))
改正前は「オンラインでの対面監査」と規定されていましたが、改正後は単に「オンラインでの監査」となり「対面」の文言が削除されました。また各規定が以下のとおり整理されています。
| 項番 | 内容 | 主な変更点 |
|---|---|---|
| (2) 実施方法 | 実地監査またはオンライン監査。有効期間内に最低1回の実地監査。登録更新講習機関も同様に実地監査が必須 | 改正前は更新講習機関への実地監査は不要とされていたが、今回の改正で有効期間内に少なくとも1回の実地監査が必要となった |
| (3) サンプリング | 修了審査・学科・実地講習を事務所ごとに実施。学科講習は機体の種類にかかわらず最低1科目、実地講習は機体の種類ごとに最低1科目が対象 | 「事務所ごと」「技能証明の資格の区分ごと」が全項目に明示。一等・二等のいずれか一方のみでは不足で、両区分それぞれの監査が必要 |
| (4) オンライン監査 | 動画提出基準を①〜③に整理。eラーニングで学科講習を実施している場合も講習画面の録画等の提出が必要 | 改正前は「学科講習をオンライン講習で行うなど動画撮影が困難又は不要であると航空局が認めた場合は不要」とされていたが、今回の改正でこの例外規定が廃止された |
| (5) 実地監査 | 本部及び事務所に赴き実施。オンライン・実地監査とも必ず監査員を含む2名以上で行う必要があり、事務所への実地監査では必ず2名以上が現地に赴く必要がある | 「本部または事務所」→「本部及び事務所」に修正。実地監査でも動画等による確認が可能な旨を明示 |
| (6) 模擬講習 | 受講生不在等の理由により円滑な監査ができない場合に限り可 | 模擬講習はあくまで例外措置。原則として受講生のいる環境下での監査が必要 |
④ 監査員の資格要件の統合・見直し(3-3)
改正前は一等・二等を別欄(イ〜ヘ)で規定していた監査員の要件が統合され、以下の要件をすべて満たすことが求められます。また技能証明は監査対象の登録講習機関等が使用する機種・限定に対応したものであることが※1で明示されました。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| a. 年齢 | 18歳以上 |
| b. 欠格事由 | 不正行為・罰金以上の刑に処せられた日から2年を経過しない者でないこと |
| c. 技能証明+飛行経験 | 一等または二等の技能証明を有し、取得後6月以上の飛行経験(※監査対象の機種・限定に対応したものであること) |
| d. 修了審査員研修 | 指定試験機関による修了審査員研修を受講していること |
| e. 監査実績 | 過去3年以内に3回以上、監査員または監査補助員として監査を実施した実績 |
⑤ 監査チームの指名に関する変更(5-3)
改正前は「監査員は当該登録講習機関等を担当する者から指名することを原則とする」という規定がありましたが、改正後は削除されました。また、オンライン監査及び実地監査は「監査員を含む2名以上で行う」ことが独立した規定((3))として新設されました。
⑥ 判定基準の明確化(5-4-2)
判定の記録要件に「判定の根拠とした具体的事実」が追加されました。また、オンライン監査において当該登録講習機関等の本部がISO9001等の認証を取得・維持している場合、同認証の確認をもって「適切」と判定できる旨が新設されました。
⑦ 航空局の監査同席規定の新設(第9章)
改正により、航空局が適切な監査実施の確保の観点から監査への同席を求めることができる旨の規定(第9章)が新設されました。航空局から同席を求められた場合、監査実施団体および登録講習機関等は協力する義務があります。
監査実施細則の主な改正ポイント
監査実施細則では、主に監査チェックリスト(別添1〜4)の内容が更新されています。
① 登録講習機関チェックリスト(本部用)への新設項目
技能証明書返納証明書交付者講習に対応した項目が2項目新設されました。なお、これらの項目は当該講習を実施している登録講習機関のみに適用され、実施していない機関は「適用外」として扱われます。
| 項番 | 新設内容 |
|---|---|
| 2.13 | 技能証明書返納証明書交付者講習の修了証明書の交付に係る記録が管理台帳に確実になされており、3年間保管されていること ※技能証明書返納証明書交付者講習を行っている場合のみ |
| 2.14 | 受講希望者に対し、講習事務規程に記載された手順で技能証明書返納証明書の写しを確認していること ※技能証明書返納証明書交付者講習を行っている場合のみ |
② 事務所用チェックリストの変更
告示の別表参照先の変更に加え、新設項目が追加されています。
新設項目(別添2 事務所用):
| 項番 | 新設内容 |
|---|---|
| 3.12 | 技能証明書返納証明書交付者講習の実地講習のイエローゾーン及びレッドゾーン等がコーン等で明示されており、規定の大きさであること。またヘリパッドも規定の大きさであること。 ※技能証明書返納証明書交付者講習をサンプリング対象とした場合に確認 |
告示参照先の変更:
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 3.11(実習用無人航空機・実地講習) | 告示別表第二 | 告示別表第三 |
| 4.11(実習用無人航空機・修了審査) | 告示別表第二 | 告示別表第三 |
| 4.12(オーバーライド非実施時) | 告示別表第二 | 告示別表第三 |
| 5.3(オンライン学科講習) | 告示別表第三 | 告示別表第四 |
③ 登録更新講習機関チェックリストの整理
登録更新講習機関の監査チェックリスト(別添3・4)についても、以下の変更が行われました。
- 「失効時再交付講習」のチェック項目が削除され、代わりに登録講習機関のチェックリスト(別添1・2)に「技能証明書返納証明書交付者講習」に関する項目(2.13・2.14)が新設されました。失効時の再交付に関する講習の監査は、登録更新講習機関から登録講習機関側のチェックに移行した形です。
- 更新講習告示の別表参照先が「別表第五」から「別表第六」に変更
- 学科受講者数上限(6.5項)・身体適性検査(5項)の項目が削除
監査実施団体がすべき対応手順
今回の改正を受けて、監査実施団体は以下の手順で対応を進めてください。
対応チェックリスト
改正内容の精査から届出書類の作成まで全国対応で承ります。
