【登録講習機関・登録更新講習機関】開校までの道のり|申請手続きと準備を行政書士が解説

この記事のポイント
  • 申請者は法人のみ。個人事業主は申請できない。gBizIDプライムの取得が事前準備として必須
  • 講師要件は「技能証明の保有+所定の飛行経験」。修了審査員は指定試験機関による審査員研修の受講が別途必要(登録講習機関のみ)
  • 登録更新講習機関は修了審査・審査員研修が不要など、登録講習機関より要件が少ない
  • 開校前に事務規程の作成・届出管理者・講師への研修実施が必要

ドローンの国家資格制度(無人航空機操縦者技能証明制度)の開始に伴い、登録講習機関・登録更新講習機関の開設に関心を持つ法人が増えています。しかし申請には多くの要件・添付書類・事前準備が必要であり、手続きを正確に理解することが開校への近道です。

この記事では、国土交通省が公表している「登録講習機関の登録等に関する取扱要領」「登録講習機関の登録等の事務処理に関するガイドライン」および登録更新講習機関の各相当文書を一次情報として、開校までの道のりを行政書士が解説します。

目次

登録講習機関と登録更新講習機関とは

「登録講習機関」と「登録更新講習機関」は、どちらも国土交通大臣の登録を受けてドローンの講習を行う機関ですが、提供するサービスが異なります。

項目登録講習機関登録更新講習機関
根拠条文航空法第132条の69航空法第132条の82
提供する講習技能証明を取得しようとする者への講習(無人航空機講習)技能証明の更新を申請しようとする者への講習(無人航空機更新講習)
受講者のメリット修了審査に合格すると指定試験機関での実地試験が免除される所定の更新講習を受講すると技能証明の更新ができる
修了審査あり(実地試験に準じた審査)なし
一等・二等のいずれの講習を行うための機関として登録するかによって、講師の要件・施設・設備の基準が異なります。一等と二等を同時に申請することも可能で、その場合は重複する添付書類を省略できます(取扱要領より)。

登録講習機関と登録更新講習機関の主な違い

両機関は申請手続きの基本的な流れは共通していますが、以下の点で違いがあります。

項目登録講習機関登録更新講習機関
修了審査の実施必要(学科・実地の修了審査を実施)不要
修了審査員の要件講師要件に加え、指定試験機関による審査員研修の受講が必要修了審査員は不要(審査員研修も不要)
修了審査用空域・機体添付書類として必要(様式⑦⑧)実地講習用空域・機体として添付(様式⑦⑧)
施設・設備の基準告示令和4年国土交通省告示第951号 別表第三令和7年国土交通省告示第160号 別表第二
講師の飛行経験要件一等:技能証明取得後1年以上
二等:技能証明取得後6ヶ月以上
同左(同一の要件)
操縦シミュレーター実地講習はシミュレーターで代替可能(告示の要件を満たす場合)。修了審査はシミュレーター不可実地講習を操縦シミュレーターで代替可能(告示の要件を満たす場合)
取扱要領国空無機第193915号(令和8年1月20日最終改正)国空無機第63283号(令和8年1月20日最終改正)
既存の登録講習機関が登録更新講習機関も開設する場合は、別途登録申請が必要です。両方の機関は別々の登録であり、登録証も別々に交付されます。また登録免許税は登録講習機関・登録更新講習機関それぞれで、一等・二等の区分ごとに必要となります。

申請前に完了しておく事前準備

登録申請システムへの申請を開始する前に、以下の3つを完了しておく必要があります(ガイドラインより)。

1
登録申請システム(DIPS)のアカウント開設
申請者は法人のため「企業・団体のアカウントを開設する場合」を選択します。事務所が11か所以上になる場合はCSVファイル様式を事前にダウンロードしておく必要があります。
URL:https://www.uapc.dips.mlit.go.jp/org-lic/menu
2
gBizIDプライムの取得
申請者の法人確認はgBizIDプライムのみとされています。未取得の場合はデジタル庁のサイトから申請します。申請書類に不備がなければ2週間以内に登録が完了するとのことです(ガイドラインより)。
URL:https://gbiz-id.go.jp/top/
3
添付書類の準備
取扱要領に定める添付書類を揃えます。添付書類の作成・整備については行政書士がサポートできます。

申請に必要な添付書類

申請時の添付書類は取扱要領に定められています。以下は登録講習機関・登録更新講習機関に共通する主な書類です(事務所が1か所の場合)。

番号書類名備考
定款または寄附行為及び登記事項証明書提出日前1年以内に作成されたもの。gBizIDに登録した情報は一部省略可
役員全ての氏名・住所・経歴を記載した書類提出日前1年以内に作成されたもの。経歴は履歴書(写真不要)での別添も可。無人航空機に関する職歴は全て記載すること
施設及び設備の概要書(様式2)建物周辺の騒音等の環境説明も必要。施設・設備の基準は各告示の別表で定められている
講師の条件への適合宣誓書(様式3)代表者が直筆で署名。代表者自身が講師を兼ねる場合は代表者を補佐する者が署名
講師の氏名・担当科目・専任または兼任の別(様式4)および証する書類(様式5)「専任」は講師のみ、「兼任」は修了審査員・管理者等を兼任する場合
役員が登録の欠格事由に該当しないことを説明した書類(様式6)
修了審査用(登録更新講習機関は実地講習用)無人航空機の仕様要件または機体認証書等借用している場合は賃貸借契約書等の写しも必要。操縦シミュレーターを使用する場合は当該シミュレーターの仕様要件説明書を添付
修了審査用(登録更新講習機関は実地講習用)空域図図面と地上から撮影した写真(空域を枠で囲むこと)の両方が必要。操縦シミュレーターを使用する場合は不要
組織図講師・役員・その他講習事務に必要な人員の配置がわかる資料を添えて提出
複数の事務所がある場合は、③④⑤⑦⑧(⑦⑧は該当する場合のみ)を事務所ごとに提出する必要があります。①②⑥⑨は法人全体の書類として1部の提出で足ります(取扱要領より)。

講師・修了審査員の要件

講師として登録できる者の要件は取扱要領に定められています。

共通要件(一等・二等共通)

  • 18歳以上であること
  • 過去2年間に無人航空機講習事務に関し不正な行為を持った者でないこと
  • 航空法またはこれに基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者でないこと

資格区分ごとの要件

区分要件(いずれかを満たすこと)
一等の講習を行う講師 イ.一等無人航空機操縦士の技能証明(飛行方法について限定がされていないもの)を有する者であって、当該技能証明を取得後1年以上無人航空機を飛行させた経験を有する
ロ.イと同等以上の能力を有する
二等の講習を行う講師 イ.二等無人航空機操縦士の技能証明(飛行方法について限定がされていないもの)を有する者であって、当該技能証明を取得後6ヶ月以上無人航空機を飛行させた経験を有する
ロ.イと同等以上の能力を有する

修了審査員の追加要件(登録講習機関のみ)

修了審査を行う者(修了審査員)については、上記の講師要件に加えて、指定試験機関による審査員研修の受講が義務付けられています(取扱要領より)。

登録更新講習機関には修了審査がないため、修了審査員の要件・審査員研修は不要です。

申請から登録・開校までの流れ

1
事前準備(gBizID取得・アカウント開設・書類整備)
gBizIDプライムの取得には最大2週間程度かかります。並行して添付書類の準備を進めます。登録を受けようとする日の少なくとも1ヶ月前を目処に申請することとされています(取扱要領より)。
2
登録申請システム(DIPS)から申請書・添付書類を提出
申請書の入力・添付書類の提出はDIPSまたは電子メールで行います。複数事務所の場合は事務所ごとに必要な書類を揃えます。
3
書面審査
国土交通大臣が申請書類の登録要件への適合性を審査します。書類に不備がある場合は修正・追加提出を求められます。
4
登録・登録証の交付・官報への公示
審査を通過すると、登録講習機関(または登録更新講習機関)登録証が交付され、官報に公示されます。
5
開校前の事務処理(研修実施・事務規程の作成と届出)
登録後・講習事務開始前に、管理者および講師への研修の実施と、事務規程の作成・届出を完了する必要があります(ガイドラインより)。事務規程の届出はDIPSではなく電子メール等で行います。
6
講習開始
上記すべての手続き完了後、講習を開始できます。開校後は帳簿の記載・定期報告・登録事項の変更届出などの継続的な義務があります。

開校後の主な義務

開校後も、継続的に以下の事務処理が必要です。

事務処理方法
受講者の本人確認登録申請システム(DIPS)及び申込書
修了証明書の発行手渡しまたは電子メール等
修了者情報の連携登録申請システム(DIPS)
役員の選任届出等電子メール等
登録事項の変更届出登録申請システム(DIPS)
講習事務の休廃止届出登録申請システム(DIPS)
帳簿の記載(講習記録簿・実施計画書・実施状況報告書等)電子メール等
登録の更新(有効期間満了前)電子メール等
登録の更新手続きを怠ると登録が失効します。また、登録事項(事務所の追加・変更、役員の変更等)が生じた場合は速やかに変更届出を行う必要があります。登録講習機関等に対する外部監査(監査実施団体による監査)も毎事業年度義務付けられています。

行政書士かわさき事務所によるサポート

申請に必要な添付書類の整備・作成、事務規程の作成・届出代行、開校後の変更届出等について行政書士が対応できます。

サポート内容詳細
添付書類の作成・整備取扱要領の様式(様式2〜様式6等)の作成、役員書類・組織図の整備、施設・設備の概要書の作成サポート
事務規程の作成・届出代行開校前に必要な事務規程の作成から国土交通省への届出代行
変更届出の代行開校後の登録事項変更・事務規程変更の届出代行
個別相談・不明点の解消要件の充足確認・申請内容に関する個別相談
登録講習機関・登録更新講習機関の開校相談はこちら
添付書類の作成から事務規程の届出代行まで対応します
初回相談無料・全国対応|受付時間:9:00〜20:00【土日祝対応】

よくある質問

登録講習機関の申請は個人でもできますか?
いいえ、できません。登録講習機関・登録更新講習機関の申請者は法人のみとされています(取扱要領より)。個人事業主は申請できないため、法人格の取得が必要です。
登録講習機関と登録更新講習機関は同時に申請できますか?
はい、同時申請が可能ですが、それぞれの申請書を別々に作成する必要があります。一等・二等の区分で重複する書類(定款・登記事項証明書・役員書類・組織図)については改めて提出する必要はありません(取扱要領より)。
登録講習機関の講師になるための要件は何ですか?
講師の要件は18歳以上であること、過去2年間に不正行為・法令違反がないこと、担当する講習の資格区分に対応した技能証明(一等の場合は取得後1年以上、二等の場合は取得後6ヶ月以上の飛行経験が必要)を保有していることです。また修了審査員については、これらに加え指定試験機関による審査員研修の受講が必要です(取扱要領より)。
事務規程はいつまでに届け出る必要がありますか?
講習事務の開始前に事務規程を作成し、国土交通大臣に届け出る必要があります。事務規程の作成・届出は登録申請システムではなく、電子メール等による提出となります(ガイドラインより)。
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