【DJI Mini 4 Pro 型式認証取得】機体認証との違い・申請省略の条件・注意点を行政書士が解説

この記事のポイント
  • 2025年5月23日、DJI Mini 4 Proが日本初のコンシューマー向けドローンとして第二種型式認証を取得(型式名:DJI Model DJI Mini 4 Pro、型式認証書番号:No.6)
  • 型式認証取得済みなのは認証後に製造された機体のみ。ただし「航空法施行規則の一部を改正する省令」(令和8年3月19日公布・令和8年5月1日施行)により、メーカーから無人航空機同一性証明書が発行された既存機体も機体認証の申請が可能になった
  • 飛行許可承認申請を省略するには型式認証+機体認証+二等以上の技能証明の3つすべてが必要。型式認証だけでは省略できない
  • 型式認証取得済み機体であれば、機体認証の検査の全部または一部が省略されるため、未取得機体より申請手続きが簡便
  • 機体認証の有効期限は3年間。有効期間満了日の1ヶ月前までに更新申請が必要

2025年5月23日、DJI社の「Mini 4 Pro」が国土交通大臣より第二種型式認証を取得しました。日本国内で販売されているコンシューマー向けカメラドローンとしては初めてのことであり、ドローンを活用する多くのユーザーにとって大きな意味を持つ出来事です。

ただし、「型式認証を取得した=申請が不要になった」という誤解が多く見受けられます。実際には型式認証だけでなく機体認証・技能証明との組み合わせが必要であり、また既存の機体は対象外という重要な注意点もあります。この記事では行政書士の視点から正確に解説します。

目次

型式認証とは

型式認証とは、無人航空機の型(設計・製造ラインの安全基準への適合性)をメーカーが申請し、国土交通大臣が認証する制度です(航空法第132条の16)。1機ごとの機体に対する認証ではなく、同じ設計・製造ラインで生産されたすべての機体をまとめて認証するものです。

型式認証には第一種と第二種があり、対応する機体認証の種類が異なります。

区分対応する機体認証対応する飛行カテゴリー
第一種型式認証第一種機体認証の検査の全部または一部を省略カテゴリーIII(レベル4飛行)対応
第二種型式認証第二種機体認証の検査の全部または一部を省略カテゴリーII飛行対応
型式認証はメーカーが申請するものであり、機体の使用者(オーナー)が直接申請するものではありません。ユーザーが申請するのは、型式認証の有無に関わらず「機体認証」です。型式認証取得済みの機体は機体認証の手続きが簡便になるという関係です。

DJI Mini 4 Proの型式認証の概要

項目内容
認証取得日2025年5月23日
認証の種類第二種型式認証
型式名DJI Model DJI Mini 4 Pro
型式認証書番号No.6
意義日本国内で販売されているコンシューマー向けカメラドローンとして初めての型式認証取得
型式認証を取得しているモデルであっても、当該モデルが型式認証を取得する前に出荷された機体は原則として型式認証未取得機となります(国土交通省公式ページに明記)。お手元の機体が型式認証取得済みかどうかは、機体に型式名(DJI Model DJI Mini 4 Pro)と型式認証書番号(No.6)の表示があるかどうかで確認してください。表示の詳細については機体メーカー(DJI)にご確認ください。
なお、「航空法施行規則の一部を改正する省令」(令和8年3月19日公布・令和8年5月1日施行)により、DJIアフターサービスによる点検整備を受け「無人航空機同一性証明書」が発行された既存機体(同一性証明済み機)については、機体認証を申請できるようになりました。詳細はDJI公式の案内をご確認ください。

型式認証と機体認証の違い

混同されやすい2つの制度を整理します。

項目型式認証機体認証
認証の対象型(設計・製造ライン)1機ごとの機体
申請者メーカー機体の使用者(オーナー)
申請先第一種:国土交通省
第二種:登録検査機関
第一種:国土交通省
第二種:登録検査機関
有効期限なし(設計変更等で失効する場合あり)3年間(更新申請が必要)
飛行申請との関係型式認証だけでは申請は省略できない技能証明との組み合わせで一部の申請を省略できる

飛行許可承認申請を省略できる条件

特定飛行の飛行許可承認申請を省略するためには、以下の3つすべてを満たす必要があります。

1
型式認証取得済みの機体であること
機体に型式名(DJI Model DJI Mini 4 Pro)と型式認証書番号(No.6)の表示があることで確認できます。認証取得前に出荷された機体は対象外です。
2
その機体で機体認証(第二種)を取得していること
DIPS2.0から第二種機体認証の申請を行い、認証を受けた機体であることが必要です。型式認証取得済みの機体は検査が省略・簡略化されます。
3
操縦者が二等(または一等)無人航空機操縦士の技能証明を保有していること
飛行内容に応じた限定変更(夜間飛行・目視外飛行等)も受けている必要があります。
上記3つをすべて満たした場合、カテゴリーIIBに相当する特定飛行(人口集中地区上空・夜間・目視外・30m未満等)について飛行許可承認申請が不要になります。ただし飛行計画の通報(DIPS2.0)は引き続き必要です。

既存のDJI Mini 4 Proを持っている場合

型式認証取得の発表(2025年5月23日)以前に購入・出荷済みのDJI Mini 4 Proは、原則として型式認証未取得機として取り扱われます。ただし、「航空法施行規則の一部を改正する省令」(令和8年3月19日公布・令和8年5月1日施行)により、メーカーによる点検・証明書(無人航空機同一性証明書)の取得を経て機体認証を申請できる仕組みが整備されました。

状況対応
機体に型式名・認証書番号の表示がある 型式認証取得済み機体。第二種機体認証の申請が可能(検査の全部または一部が省略)
機体に表示はないが、メーカーから無人航空機同一性証明書が発行されている(同一性証明済み機) 「航空法施行規則の一部を改正する省令」(令和8年3月19日公布・令和8年5月1日施行)により、機体認証の申請が可能に。DIPS2.0の仕様上、当面は「型式認証機」を選択して申請する(国交省公式ページより)。適合確認書の発行から30日以内に申請が必要
型式認証の表示も同一性証明書もない 型式認証未取得機として機体認証の申請は可能だが、設計・製造過程の検査が必要となり相当の時間を要する(国交省公式ページより)。事前に国交省または登録検査機関へ相談することを推奨
「無人航空機同一性証明書」はメーカー(DJI)が発行するものです。お手元の機体が同一性証明書の発行対象かどうかは、DJIに直接確認してください。同一性証明書が発行されている機体(同一性証明済み機)は型式認証未取得機ではありますが、機体認証の検査の一部が省略される扱いとなります。
同一性証明済み機の機体認証を申請する場合、DIPS2.0の仕様の都合上、当面は「型式認証機」を選択して申請することとされています(国土交通省公式ページより)。申請方法の詳細はDIPS2.0の操作マニュアルを確認してください。

機体認証の申請手続き

型式認証取得済みのDJI Mini 4 Proで機体認証を取得する場合の流れです。

1
機体登録をDIPS2.0で行う
まず機体登録を済ませます。新品機体として機体認証を申請するには「機体登録から1ヶ月以内」かつ「新品として一度も飛行させていないこと」の両方を満たす必要があります。いずれかを満たさない場合は中古機検査となるか、検査対象外となる場合があります。
2
機体認証申請の提出書類を確認する
国土交通省が公開している「機体認証申請の提出書類を判別する簡易フロー図」(mlit.go.jp/koku/certification.html)で必要書類を確認します。型式認証の有無・機体の新品・中古の区分で必要書類が異なります。
3
DIPS2.0から第二種機体認証を申請する
第二種機体認証は登録検査機関に申請します。型式認証取得済み機体は検査の全部または一部が省略されます。なお、機体認証の申請前に無人航空機適合確認書を使用する場合、発行から30日以内に申請する必要があります。
4
機体認証書の交付を受ける
有効期限は3年間です。継続して機体認証を受けたい場合は、有効期間満了日の1ヶ月前までに更新申請を行ってください。
機体認証取得後に守らなければいけないこと(DJI公式ガイダンスより):
機体認証を取得した後、特定飛行を行う場合は以下をすべて遵守する必要があります。
・DIPS2.0で「飛行計画の通報」を行うこと
・DJIが配布する「無人航空機飛行規程」に従って機体を運用すること
・DJIが配布する「無人航空機整備手順書」に従って点検整備を実施すること
・「飛行日誌」(国土交通省所定の様式)を記録すること(特定飛行か否かにかかわらず、機体認証取得後はすべて記録)

飛行日誌の記録が不十分な場合、機体認証を更新できなくなる可能性があります(DJI公式ガイダンスより)。
機体の設計変更や装備品の変更を機体メーカーから案内され、その変更を適用した場合には機体認証の更新申請が必要となる場合があります(国土交通省公式ページより)。メーカーからの案内には注意してください。
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よくある質問

すでに持っているDJI Mini 4 Proでも機体認証を取得できますか?
原則として型式認証未取得機となりますが、「航空法施行規則の一部を改正する省令」(令和8年3月19日公布・令和8年5月1日施行)により、メーカー(DJI)から「無人航空機同一性証明書」が発行された機体(同一性証明済み機)については機体認証の申請が可能になりました。お手元の機体が同一性証明書の発行対象かどうかはDJIに確認してください。なお、型式認証取得済みかどうかは、機体に型式名(DJI Model DJI Mini 4 Pro)と型式認証書番号(No.6)の表示があるかどうかで確認できます。
型式認証と機体認証の違いは何ですか?
型式認証はメーカーが申請する「型(設計・製造ライン)」に対する認証です。一方、機体認証は使用者が申請する「1機ごとの機体」に対する認証です。型式認証を受けた型式の機体については、機体認証の検査の全部または一部が省略されます。
DJI Mini 4 Proの型式認証取得で飛行許可承認申請は不要になりますか?
型式認証の取得だけでは申請は省略できません。申請を省略するためには、①型式認証取得済みの機体であること、②その機体で機体認証(第二種)を取得していること、③操縦者が二等(または一等)無人航空機操縦士の技能証明を保有していること、の3つをすべて満たす必要があります。
機体認証の有効期限はどのくらいですか?
機体認証の有効期限は3年間です。継続して機体認証を受けたい場合は、有効期間満了日の1ヶ月前までに更新申請を行う必要があります(国土交通省公式ページより)。
型式認証取得済みのDJI Mini 4 Proで機体認証を取得するにはどうすればいいですか?
DIPS2.0から第二種機体認証の申請を行います。型式認証取得済み機体は機体認証の検査の全部または一部が省略されるため、型式認証未取得機より手続きが簡便です。申請には機体登録から1ヶ月以内かつ新品として一度も飛行させていないことが新品機体の条件となります。
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