【リモートIDの基本】発信される情報、搭載免除、特定区域について解説

この記事のポイント
  • リモートIDとは、機体登録情報を無線で発信する機能で、自動車のナンバープレートに相当するもの
  • 発信される情報は静的情報(製造番号・登録番号)動的情報(位置・高度・速度・時刻)の2種類。1秒ごとに発信される
  • 事前登録期間(2021年12月20日〜2022年6月19日)に登録を完了した機体は搭載義務が免除され、登録更新後も免除は継続する
  • あらかじめ届け出た「リモートID特定区域」で安全措置を講じれば、その区域内に限り搭載義務が免除される
  • 係留飛行や警察・海上保安庁の業務での飛行も搭載義務の対象外

無人航空機の登録義務化に伴い、機体への登録記号の表示に加えて、原則としてリモートID機能を機体に搭載することが義務付けられています。この記事では、リモートIDによって発信される情報の内容、搭載が免除される条件、リモートID特定区域での安全措置・届出方法について行政書士がわかりやすく解説します。

目次

リモートIDとは

リモートIDとは、機体登録時に登録した情報を無線で発信する機器・機能のことで、自動車のナンバープレートに相当するものです。発信された情報は、航空局・重要施設管理者・警察官が受信機で受信し、国土交通省の登録システムで照会することで、所有者情報等を確認できます。

リモートID自体が操縦者や所有者の氏名・住所等の個人情報を直接発信するわけではありません。発信されるのは登録番号等の情報であり、その登録番号をもとに国土交通省の登録システムで照会することで初めて所有者情報等が確認できる仕組みです。

リモートID機能によって発信される情報

リモートID機能によって発信される情報は静的情報動的情報の2種類です。

区分発信される情報発信頻度
静的情報無人航空機の製造番号、登録記号1秒に1回
動的情報無人航空機の位置、高度、速度、時刻等1秒に1回

2022年6月20日以降、原則としてすべての無人航空機(100g以上)にリモートIDの搭載が必要です。ただし、次章で解説する条件に該当する場合は搭載が免除されます。

リモートIDの搭載が免除される条件

以下のいずれかに該当する場合、リモートIDの搭載義務が免除されます(国土交通省「無人航空機登録ポータルサイト」「リモートID機能」より)。

事前登録期間に登録を完了した機体:2021年12月20日から2022年6月19日までの事前登録期間中に機体登録申請を完了した機体
リモートID特定区域での飛行:あらかじめ国土交通省に届け出た特定区域内で、補助者の配置・区域範囲の明示等の安全措置を講じた上で、届出済みの機体のみを飛行させる場合
十分な強度の紐等(長さ30m以内)で係留する場合
警察庁・都道府県警察・海上保安庁が警察その他の秘匿を要する業務のために行う飛行
「2022年6月20日より前に登録した機体は搭載不要」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。免除の対象は事前登録期間(2021年12月20日〜2022年6月19日)に登録を完了した機体のみです。国土交通省「無人航空機登録ポータルサイト」によれば、この期間に登録を完了した機体は登録更新後も免除が継続します。一方、この期間外(2022年6月20日以降)に新規登録した機体は、リモートIDの搭載が必要です。

リモートID特定区域での安全措置

リモートID特定区域内で飛行させる場合、最低限以下の安全措置を講じる必要があります。

特定区域に講じる措置

特定区域の上空で無人航空機を飛行させる場合、「特定区域の上空から逸脱しないこと」「届出のない無人航空機を判別すること」が必要です。具体的には以下の措置を講じます。

項目内容
特定区域からの逸脱を常に監視し、操縦者へ必要な助言を行う補助者を配置する
補助者は、無届または未確認の無人航空機が飛来した際に、操縦者へ飛行中止等の指示を行う
②の措置ができない場合や、届出済みの無人航空機と飛来した無人航空機の判別が困難な場合は、補助者の指示に従い、届出済みの無人航空機について飛行中止の措置を講じる

特定区域の範囲を明示するための標識の設置等

操縦者の目視範囲内で特定区域を明示するため、以下のいずれかの方法を講じる必要があります。

項目内容
(1)特定区域の外縁を塀・柵・縁石・土地上の境界線の表示により明示する
(2)操縦者が視認できる範囲内に、特定区域の外縁を明示するための標識を設置する
(3)外縁が河川や草地等に存在する、または境界線の表示が困難な場合は、求めに応じて空域の範囲を明示した届出書の写しを提示する

届出書の写しの携帯

特定区域の上空で無人航空機を飛行させる者は、以下のいずれかを携帯し、必要に応じて提示できるようにしておく必要があります。

登録システムにログインすることで届出内容と届出番号を表示できる端末、またはその表示の印刷物
届出後に国から返信される届出番号が記載された届出書の原本の写し
提出した届出書の写しおよび登録システムから送信された届出番号が記載された電子メールを表示できる端末、またはその表示の印刷物

リモートID特定区域の届出の方法

リモートID特定区域の届出は、DIPS2.0の「無人航空機の登録申請」メニューから表示される一覧の下部にある「リモートID特定区域の届出を行う場合はこちら」から行うことができます。

特定区域の届出は、機体登録とは別の手続きです。特定区域内であっても、届出をしていない機体・届出をしていない区域での飛行は搭載義務の免除対象になりません。事前に区域・機体の両方について届出を済ませておく必要があります。

リモートID未搭載のリスク

登録記号の表示およびリモートIDの搭載は航空法上の義務です。これらを行わずに無人航空機を飛行させた場合、罰則の対象となります。罰則の詳細については関連記事をご覧ください。

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よくある質問

リモートIDとは何ですか?
リモートIDとは、機体登録時に登録した情報を無線で発信する機能で、自動車のナンバープレートに相当するものです。発信された情報は航空局・重要施設管理者・警察官が受信機で受信し、国土交通省の登録システムで照会することで所有者情報等を確認できます。リモートID自体が操縦者や所有者の個人情報を直接発信することはありません。
古い機体はリモートIDの搭載義務が免除されますか?
事前登録期間(2021年12月20日〜2022年6月19日)に機体登録を完了した機体は、リモートIDの搭載義務が免除されます。この免除は登録の更新後も継続します。ただし、この期間外に登録した機体は対象外であり、リモートIDの搭載が必要です。
リモートID特定区域とは何ですか?
リモートID特定区域とは、あらかじめ国土交通省に届け出た区域内において、補助者の配置や区域範囲の明示などの安全措置を講じることで、届出済みの機体に限りリモートIDの搭載義務が免除される区域のことです。DIPS2.0から届出を行うことができます。
リモートID特定区域で飛行する際、何を携帯する必要がありますか?
登録システムにログインして届出内容と届出番号を表示できる端末(またはその印刷物)、届出後に国から返信される届出番号が記載された届出書の写し、のいずれかを携帯し、必要に応じて提示できるようにしておく必要があります。
リモートIDを搭載せずに飛行させた場合、罰則はありますか?
はい。リモートIDの搭載は航空法上の義務であり、登録記号の表示やリモートIDの搭載をせずに無人航空機を飛行させた場合は罰則の対象となります。詳細は航空法上の罰則に関する記事をご覧ください。
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