【2026年7月1日適用】工業専用地域はDID(人口集中地区)規制から除外|ドローン飛行許可が不要に

この記事のポイント
  • 令和8年7月1日から、都市計画法上の工業専用地域はDID(人口集中地区)規制から除外され、飛行許可手続きが不要になる(国土交通省告示第435号)
  • 対象は「工業専用地域」のみ。住宅の建設が認められる「工業地域」は今回の告示の対象とはされていない
  • DIDを理由とした許可は不要になるが、他の空域規制(空港周辺・150m以上等)や承認が必要な飛行方法(目視外・夜間等)はそのまま適用される
  • 臨海部の工場・プラント点検、物流拠点での活用など、産業用ドローンの業務効率化に直結する改正

ドローンを人口集中地区(DID:Densely Inhabited District)の上空で飛行させるには、従来は国土交通大臣の飛行許可が必要でした。令和8年3月31日に公布された国土交通省告示第435号により、都市計画法上の工業専用地域は令和8年7月1日からこの規制の対象から除外されることになりました。

臨海部の工場・プラント、港湾エリア、大規模物流施設など、工業専用地域に位置する施設でドローンを業務利用している方にとって、申請手続きの大幅な簡素化につながる重要な改正です。この記事では、告示の内容・対象となる区域・適用されない規制について行政書士が解説します。

目次

改正の概要

項目内容
告示番号国土交通省告示第435号
公布日令和8年3月31日
適用開始日令和8年7月1日
根拠条文航空法施行規則第236条の72
除外される区域都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域
規制改革の経緯内閣府国家戦略特区における規制改革の一環。工業専用地域は居住用家屋が存在せず地上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないとして除外区域に指定
告示の原文:「航空法施行規則第236条の72の地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通大臣が告示で定める区域は、都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域とする。」(国土交通省告示第435号より)

工業専用地域とは

工業専用地域は都市計画法上の用途地域の一つで、工業の業務の利便の増進を図るために定められた区域です。住宅・学校・病院・ホテル等の建設が禁止されており、居住者がいないことが前提となっています。主に臨海部の重化学工業地帯、大型物流施設、石油・化学プラントなどが立地するエリアが指定されています。

注意が必要なのは「工業地域」との区別です。工業地域は住宅の建設が認められており、今回の告示の対象とはされていません。飛行前に必ず用途地域を確認してください。
用途地域住宅の建設今回の告示の対象
工業専用地域禁止対象(DID規制から除外)
工業地域可能対象とはされていない(DID規制は継続)
準工業地域可能対象とはされていない(DID規制は継続)

引き続き必要な手続き

工業専用地域でのDID規制が除外されても、以下の規制はそのまま適用されます。工業専用地域だからといってすべての飛行許可・承認が不要になるわけではありません。

引き続き許可が必要な空域

空港等の周辺の空域:工業専用地域であっても、空港等の周辺の制限空域に該当する場合は飛行許可が必要
緊急用務空域:指定されている間は飛行不可。飛行前に必ず確認する
地表または水面から150m以上の空域:プラントの高所点検等で150m以上の高さに達する場合は許可が必要

引き続き承認が必要な飛行方法

夜間飛行
目視外飛行:プラント点検・巡視等でモニター画面を見ながら飛行させる場合は承認が必要
人または物件から30m未満での飛行:工場内の設備・配管等に近づいて点検する場合に該当する可能性がある
危険物の輸送・物件の投下

飛行計画の通報

特定飛行(夜間・目視外・30m未満・DID等)に該当する飛行を行う場合のDIPS2.0への飛行計画通報は、工業専用地域においても引き続き必要です。ただし、工業専用地域がDID規制から除外されたことで、DIDのみを理由とした特定飛行に該当しなくなる場合は、飛行計画通報も不要になる場合があります。

活用が期待される場面

業務内容今回の改正による効果
石油・化学プラントの定期点検臨海部の工業専用地域に立地するプラントでの点検飛行について、DIDを理由とした許可申請が不要になる
港湾・倉庫エリアの巡視・在庫管理工業専用地域に該当する港湾・物流施設でのドローン活用の申請負担が軽減される
大型物流施設での配送実証工業専用地域内の物流拠点でのドローン配送実証において、DIDの許可申請が不要になる
製造工場の設備点検・測量工業専用地域の製造工場敷地内での点検・測量業務の申請手続きが簡素化される
目視外飛行・夜間飛行等の承認が別途必要な場合は、当事務所でまとめて申請代行を承ります。工業専用地域での業務でのドローン活用をご検討の方はご相談ください。
工業専用地域でのドローン飛行に関するご相談はこちら
目視外飛行・夜間飛行等の承認申請も全国対応で承ります
初回相談無料・全国対応|受付時間:9:00〜20:00【土日祝対応】

よくある質問

工業専用地域でドローンを飛ばす場合、飛行許可は一切不要になりましたか?
工業専用地域がDID(人口集中地区)規制から除外されたことで、DIDを理由とした飛行許可は不要になります。ただし、空港等の周辺の空域・緊急用務空域・地表から150m以上の空域に該当する場合は引き続き許可が必要です。また、夜間飛行・目視外飛行・人または物件から30m未満での飛行・危険物輸送・物件投下などを行う場合は、別途承認が必要です。
工業地域(工業専用地域ではない)も規制緩和の対象になりますか?
いいえ、対象とはされていません。今回の告示で除外されるのは都市計画法第8条第1項第1号の「工業専用地域」のみです。住宅の建設が認められる「工業地域」は今回の告示の対象とはされておらず、工業地域が人口集中地区に含まれる場合は引き続き飛行許可が必要です。
工業専用地域かどうかはどこで確認できますか?
各市区町村の都市計画図や、国土交通省が提供するG空間情報センターの都市計画情報で確認できます。飛行前に必ず用途地域を確認してください。
今回の規制緩和はいつから適用されますか?
令和8年(2026年)7月1日から適用されます。告示は令和8年3月31日に公布(国土交通省告示第435号)されています。
臨海部の工場・プラントでのドローン点検に今回の規制緩和は活用できますか?
工業専用地域に該当する区域であれば、令和8年7月1日以降はDIDを理由とした飛行許可手続きが不要になります。ただし、目視外飛行・夜間飛行・人または物件から30m未満での飛行等を行う場合は別途承認が必要です。工場・プラント点検でのドローン活用については、当事務所にご相談ください。
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