無人航空機の「身体検査」と「身体適性検査」の違い|新規取得と更新でここが変わる

この記事のポイント
- 身体検査:無人航空機操縦者技能証明を新規取得する際に必要。視力・色覚・聴力等の詳細な身体基準を確認
- 身体適性検査:技能証明の更新時に必要。多くの場合、運転免許証等の提出のみで基準適合を確認できる
- 新規取得時の身体検査は①公的証明書の提出、②医療機関の診断書、③指定試験機関での受検の3方法から選べる
- いずれも合格証明番号の有効期間は合格通知日から1年間(または提出書類の有効期間のいずれか短い方)
無人航空機操縦者技能証明の取得・更新にあたっては、学科試験・実地試験に加えて身体面の確認が必要です。この確認は、新規取得時は「身体検査」、更新時は「身体適性検査」という名称で区別されています。
この記事では、国土交通省航空局・指定試験機関(一般財団法人日本海事協会)の公式情報に基づき、両者の違いを整理して解説します。
目次
身体検査と身体適性検査の全体像
| 区分 | 身体検査 | 身体適性検査 |
|---|---|---|
| 必要となる場面 | 技能証明の新規取得時 | 技能証明の更新時 |
| 検査の実施主体 | 指定試験機関(一般財団法人日本海事協会)等 | 医師又は医療機関(運転免許証提出の場合は検査自体が不要) |
| 審査・証明書交付 | 指定試験機関 | 国土交通省航空局(DIPS2.0での審査・交付) |
| 確認内容 | 視力・色覚・聴力等の詳細な身体基準 | 身体適性の基準への適合 |
| 主な確認方法 | 公的証明書の提出/医師の診断書/指定試験機関での受検 | 多くの場合は運転免許証等の提出のみ |
技能証明書の有効期間は3年間です。有効期間満了後も技能証明を維持するには、登録更新講習機関での無人航空機更新講習の受講・修了に加え、身体適性検査基準を満たすことが必要です。更新講習は登録更新講習機関が実施しますが、身体適性検査そのものは登録更新講習機関ではなく医師又は医療機関が実施し、証明書等をDIPS2.0で国土交通省へ提出する仕組みです(国土交通省航空局公式資料より)。
新規取得時に必要な「身体検査」
技能証明を新規に取得する際は、以下3つのいずれかの方法で身体検査を受検します(指定試験機関公式HPより)。
| 受検方法 | 必要書類・条件 | 対象 |
|---|---|---|
| ①有効な公的証明書の提出 | 自動車運転免許証、マイナ免許証読み取りアプリの免許情報、航空身体検査証明書、無人航空機操縦者技能証明書、航空機操縦練習許可書のいずれか(自動二輪・小型特殊・原付免許を除く) | 全区分 |
| ②-1医療機関の診断書 | 医師の診断書(無人航空機操縦者身体検査証明書)。申請前6か月以内の検査結果を、指定様式で医師に記載してもらう | 一等25kg未満限定・二等 |
| ②-2医療機関の診断書 | 無人航空機操縦者身体検査証明書に加え、別紙も必要。指定航空身体検査医の対応が望ましい | 一等25kg以上 |
| ③指定試験機関での受検 | 指定試験機関の会場で直接受検 | 一等25kg未満限定・二等 |
身体検査基準(一等25kg未満限定・二等)
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 視力 | 両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上であること。または一眼の視力が0.3未満・見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上であること |
| 色覚 | 赤色、青色、黄色の識別ができること |
| 聴力 | 後方2メートルの距離から発せられた通常の強さの会話の音声が正しく聞き取れること |
| 一般 | 施行規則第236条の62第4項第1号・第2号にあげる身体の障害がないこと。四肢・体幹の障害がある場合でも、条件を付すことで支障がないと認められれば可 |
身体基準を満たさない場合でも、眼鏡・補聴器等の矯正器具の使用や、機体への特殊な設備・機能の追加により飛行の安全が確保されると認められれば、条件を付した上で技能証明の付与が可能な場合があります(指定試験機関公式HPより)。
一等25kg以上の身体検査基準は、上記とは別に定められた「無人航空機操縦者技能証明における身体検査実施要領」によります。詳細は指定試験機関の公式資料をご確認ください。
身体検査合格証明番号の有効期間
身体検査に合格すると身体検査合格証明番号が発行されます。有効期間は、合格の正式な通知日(発行日)から起算して1年間、または提出した公的証明書の有効期間のいずれか短い期間です。この間に学科試験・実地試験に合格し、技能証明の交付申請を行う必要があります。
更新時に必要な「身体適性検査」
技能証明の更新(有効期間3年ごと)にあたっては、登録更新講習機関での無人航空機更新講習の受講・修了に加え、身体適性検査基準を満たすことが必要です。更新講習は登録更新講習機関が実施しますが、身体適性検査自体は医師又は医療機関が実施する別の手続きです(国土交通省航空局公式資料より)。
更新時の身体適性検査は、通常の場合は運転免許証を提出することで検査自体が不要になります。一等25kg未満限定の技能証明保有者(限定を解除している方)や運転免許証を保有していない方は、医師又は医療機関で身体適性検査を受検し、証明書等をDIPS2.0で提出する必要があります(国土交通省航空局公式資料より)。
更新手続きの流れ
有効期間満了の6か月前から更新手続きが可能
登録更新講習機関で無人航空機更新講習を受講・修了
身体適性検査基準への適合を確認(多くの場合は運転免許証の提出で足り、医療機関での検査は不要)
国土交通省へDIPS2.0を通じて更新交付申請を行い、手数料を納付
有効期間満了の1か月前までに手続きを完了させる
更新は有効期間満了の6か月前から行えますが、有効期間満了の1か月前までに手続きを完了させる必要があります。期限を過ぎると技能証明が失効するおそれがあるため、余裕を持ったスケジュールで進めてください(国土交通省航空局公式資料より)。
有効期間満了の6か月前に日本国内に滞在していない方については、在留証明等を提出することで、更新期間前に申請を行うことが可能です(国土交通省航空局公式HPより)。
なぜ新規と更新で確認方法が異なるのか
新規取得時の「身体検査」は、無人航空機を安全に操縦するための医学的な適性を初めて確認するものであり、視力・色覚・聴力等について詳細な基準への適合を確認します。
一方、更新時の「身体適性検査」は、既に技能証明を保有している方について、運転免許証等の公的証明書によって継続的な適性を簡易的に確認する仕組みになっています。ただし、これは検査そのものが不要になったわけではなく、提出書類による確認方法が用意されているという位置づけです。
身体検査合格証明書等は、検査を行った時点における心身の状態について断面的な検査を行うものです。身体検査合格証明書を有している場合であっても、施行規則に規定する病気等にかかっている場合は、技能証明を行わず、または6か月以内の期間を定めて技能証明を保留することができるとされています(無人航空機操縦者技能証明における身体検査実施要領より)。
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よくある質問
身体検査と身体適性検査は何が違いますか?
「身体検査」は無人航空機操縦者技能証明を新規に取得する際に必要な検査で、視力・色覚・聴力等の詳細な身体基準への適合を確認します。「身体適性検査」は技能証明の更新時に必要な検査で、多くの場合は有効な運転免許証等の公的証明書を提出することで基準への適合を確認できます。
更新時の身体適性検査は運転免許証があれば必ず省略できますか?
多くの場合は運転免許証の提出により身体適性検査基準への適合を確認でき、この場合は医療機関での検査自体が不要です。一等無人航空機操縦士の25kg未満限定を解除している方や、運転免許証を保有していない方は、医師又は医療機関で身体適性検査を受検する必要があります。
新規取得時の身体検査の受検方法は何種類ありますか?
3種類あります。①有効な公的証明書(運転免許証等)の提出、②医療機関の診断書の提出(一等25kg未満限定及び二等の場合は無人航空機操縦者身体検査証明書、一等25kg以上の場合はこれに別紙を加えたもの)、③指定試験機関での身体検査受検(一等25kg未満限定及び二等の場合)です。
身体検査合格証明番号の有効期間はどれくらいですか?
身体検査合格者に発行される身体検査合格証明番号の有効期間は、合格の正式な通知日(発行日)から起算して1年間、または提出した公的証明書の有効期間のいずれか短い期間です。この間に学科試験・実地試験に合格して技能証明の交付申請を行う必要があります。
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