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【実地試験解説】無人航空機操縦士試験(ドローン国家資格)
このページでは、ドローンの国家資格である無人航空機操縦士の実地試験を、指定試験機関である日本海事協会で受験する当日の流れについて説明しています。
実地試験の当日は、大きく以下の流れで実施されます。
※私が受験したのは二等資格ですが、実施細則を読む限り一等と二等で流れとして違いはないようです。
・机上試験
・口述試験(飛行前点検)
・実技試験
・口述試験(飛行後の点検及び記録)
・口述試験(事故、重大インシデントの報告及びその対応)
試験前まで
試験会場に到着するとまずは受付を済ませます。
会場は公共の施設であったりしますが、「関係者」と記載されたビブス(ゼッケン)を付けた担当者が受付用のスペースを用意して待っておられると思います。
受付では本人確認ができる書類の提示を求められます。当日、必ず持参してください。
※日本海事協会のシステムで実地試験のところ「当日の持ち物」に”認められる本人確認書類”が記載されています。
受付を済ませると当日の受験番号が伝えら、机上試験を受ける部屋が案内されそこで開始時間まで待機するよう説明があります。
受付で伝えられた受験番号と同じ番号のビブスが置かれている席に座ります。
机上試験の部屋は机や椅子が並んでおり、机の上に番号が記載されたビブス、ヘルメット、目を保護するためのゴーグルや試験に関する注意事項の紙が置かれています。
※日本海事協会のシステムで”(当日持参不要)”と記載されているのは当日、現地に同じものが用意されているからでした。
着席したら机上試験の開始までにビブスを着用してください。
ヘルメットやゴーグルは後の実技試験等を受けるときまで不要ですので、机の上に置いたままとなります。
予定時間になると、まずは当日の試験の流れについて試験官が説明してくれます。
この時点で通信機器の電源を切るように指示されます。
電源が切れていることを確認するために、試験官が受験者の通信機器の状態を確認しますので、サイレントマナーなどではなく電源を切る必要があります。
試験の流れの説明の後、同じ部屋で当日の全受験者が受験します。
これ以降の試験については、受験番号順に一人ずつ実技試験等の会場(体育館)に呼ばれます。
そのため他の受験者の受験の様子を伺い知ることはできません。
受験番号が呼ばれるまでに、ヘルメットやゴーグルの装着感をチェックしておいたほうが良いと思います。
私は移動しながらヘルメットやゴーグルの紐の長さの調整を行ったのですが、調整が終わる前に体育館に到着してしまい、慌てて調整することになってしまいました。
実技試験等には一人ずつ呼ばれますので、当日の受験番号があとの受験者は机上試験を受けた部屋で長らく待機することになります。
待機している間も他の試験官の監視下にあります。
机上試験
■飛行計画の作成(実施細則2-1)
文字通り机に向かって椅子に座り、受験します。
大きめの問題用紙と、A4サイズの回答用紙が配られます。
問題用紙には、設問のほか飛行の前提条件や飛行経路、飛行計画、機体の諸元や飛行当日の気象情報などが記載されています。
実施細則のとおり問題数は4問となります。
学科試験を合格されていれば難しい内容ではありませんが、試験時間が5分となっていますので時間配分に注意してください。
前提条件や経路、計画などはサッと確認したうえで、問題文の確認に取り掛かったほうが良いかなという感じでした。
私は時間配分を誤り、前提条件や経路、計画などを読み込んでしまい、問題はかなり焦りながら回答しました。
試験終了後には回答用紙、問題用紙ともに回収されます。
口述試験(飛行前点検)
■飛行空域及びその他の確認(実施細則3-1)
実施要領に記載の内容を試験官から順に質問されます。
試験会場の状況に応じて回答します。
※実際の試験会場の状況(屋外・屋内や人口集中地区、空港周辺など)をもとに回答します。
・飛行の空域及びその周辺状況に問題はないか。
私が受験した会場は屋内でしたが飛行の空域に障害物等がないかどうか、第三者の立ち入りの可能性があるのかどうか。そのあたりを確認して回答しました。
例)体育館であっても、天井から何かがぶら下がっていないか。
体育館の入り口が開けっ放しなっていて試験に関係のない第三者が容易に入ってくることがないのか。
など
・航空法の違反はないか。
航空法では屋内の扱いはどのようになっているのかを考えて回答しました。
・操縦者の体調に問題はないか。
受験されるご本人のその時の体調を回答してください。
・気象状況に問題はないか。
開けっ放しの入口や、窓が開いているようなこともなく、雨はもちろん風の影響もありませんでした。
それらを根拠として、どうかということを回答しました。
■作動前点検(実施細則3-2)
実施細則に記載のあるように「日常点検記録」の様式が渡され、それをもとに点検を行います。
日常点検記録では電源を投入する前に確認できる内容(作動前点検)と、電源を投入しないと確認できない内容(作動点検)に分かれます。
電源を投入する前に確認できる内容の記録が終わればその旨を説明し、電源の投入に移って良いことを確認しました。
記録用紙の上部「登録記号」や下部「実施場所」などの記載漏れが多そうなので注意してください。
実施場所は「○○会場」など、試験会場の名前で問題が無いようです。
以下が参考になります。
■作動点検(実施細則3-3)
引き続き、実施細則に記載のあるように「日常点検記録」をもとに点検を行います。
電源を投入したあとに点検が必要な項目について確認します。
機体本体、プロポ、どちらから電源を投入するのかなども慌てて間違わないようにしてください。
こちらで渡されるプロポはマスタ(親機)で、モニタがついていますので通信系などの確認が可能です。
リモートIDが未搭載の機体の場合、試験官から指示があると思いますのでその通りに従ってください。
(搭載済みの機体の場合は指示がないと思われますので、必要な点検を行ってください。)
モーターが正常か、通信系や操縦系統が正常かは、実際にモーター(プロペラ)を回したり、スロットル、ラダー、エルロン、ピッチなどの操作を行わないと確認できません。
ここでは、実際に機体を上昇させたり下降させたり、前後、左右や回転させたりして、動作に問題ないことを確認しつつ、機体の癖を確認しました。
ランディングパットから出るような操作を行っても特に指摘はありませんでした。
ただし、主な目的は作動点検ですので、過剰に操作の練習に時間を使わないほうが良いと思います。
追記 2023.06.08)
プロポのモード1、モード2の切り替えについては受験者ではなく試験官が行います。
実技試験
実技試験を実施する前に、コーンの色の説明とともに減点区画、不合格区画の説明があります。
私が受験した会場では青色コーンが正常なルート、黄色が減点区画、赤色が不合格区画(一発でアウト)でした。
また、黄色コーンにかかると警告音が鳴ることや、着陸態勢時にランディングパッドから外れても同様に警告音が鳴ることについて説明がありました。
警告音は黄色コーンにかかっている、ランディングパットから外れている間はずっと鳴ること、そして音量もそこそこ大きいので少し焦ります。
※会場によっては減点区画の警告方法が異なる場合がありますので、参考程度にしてください。
なお、実技試験で使用するプロポはスレーブ(子機)でした。こちらにはモニタがついていません。
試験科目それぞれでは指定高度がありますので目視でその高度まで上げることになります。
ただし、指定高度を満たしていない場合は試験官から指摘がありますので、その指示に従ってください。
■スクエア飛行(実施細則4-1)
■8の字飛行(実施細則4-2)
■異常事態における飛行(実施細則4-3)
これらの実技試験の練習はよくされているかと思いますので、詳細は省きます。
スクエア、8の字はGNSS、センサーはON、緊急事態はGNSS、水平センサーはOFFです。
緊急事態の試験の前に、試験官がGNSSのOFF及び水平センサーのOFFの設定を行います。
追記 2023.06.08)
「異常事態における飛行」の前、フライトモードの変更や一部センサーOFFについては試験官が行います。
口述試験(飛行後の点検と記録)
■飛行後点検(実施細則5-1)
実施細則にも記載のあるように3-2で提供された日常点検記録の様式に沿って記入します。
飛行前点検とは異なり、5-1(3)や(4)のように異常発熱や、異物付着の確認を行いました。
■飛行後の記録(実施細則5ー2)
実施細則に記載のあるように「飛行記録」の様式が渡されており、そちらに記載を行います。
飛行記録のうち、離陸時間と着陸時間だけは試験官が記録していること、その記録時間を教えて貰えることの説明があると思います。
それ以外の箇所については、上部の登録記号やNR、総飛行時間の計算漏れなどに注意して記載してください。
飛行概要は「資格試験」や「試験飛行」、離発着場所についてはこちらも「○○会場」など試験会場の名前で問題が無いようです。
以下が参考になります。
口述試験(事故、重大インシデントの報告)
■事故又は重大インシデントの説明(実施細則6-1)
実施細則に記載のあるとおり事故又は重大インシデントについて該当する内容の説明を求められます。
それらの内容は教則または、国土交通省の航空安全のページに記載されています。
以下が参考になります。
■事故等発生時の処置の説明(実施細則6-2)
事故が発生した場合に、取るべき行動について説明を求められます。
事故直後にどのように対応する必要があるか、事故の対応が落ち着いたタイミングで何が必要か。
これらを考えて回答します。
以下が参考になります。
実地試験終了
事故報告までの試験を終えると、実地試験は終了となります。
試験が終了した受験者から帰宅することができますので、待機場所であった机上試験の部屋には戻りません。
ビブス、ヘルメット、ゴーグルは体育館の出口付近で返却して退出となります。
なお当日のその場では試験結果は公表されません。
(不合格区画に入った場合にも結果が伝えられないのかどうかが不明ですが、この場合は恐らくご自身で判断できるのかなと思います。)
試験結果については、7営業日以内に日本海事協会のシステムにて通知されます。
通知の際には、登録しているメールアドレスにもメールが送信されてきます。
実地試験を終えて
私は8の字飛行が苦手だという自覚があったので、実技試験についてはほとんどをこの練習時間に費やしました。
手持ちの機種がDJI MAVIC miniだけだったこともあり、Phantom4の操作感の違いには戸惑いました。
幸い自身のコミュニティの中にPhantom4を持っておられるかたがいらっしゃったので、受験の1週間ほど前に1日だけ試験会場とは別の体育館をお借りして、ひたすら練習を行いました。
ただ、練習をしてみて感じたのは、miniよりもP4のほうが操作に対して素直に動いてくれるて扱いやすかったです。
mini以外では65機と呼ばれるTinyWhoopをFPV(FirstPersonView)ではなく、目視で8の字に飛行させる練習も行っていたのも有効だったと思います。
(P4を8の字飛行させるよりもはるかに難しく、数回に1回しか周回できませんが。)
練習をされる際には、実際の試験と同じ大きさのコース、そして操縦する区画も試験と同じだけ離れて行われるほうが良いと思います。
距離感がつかめずに8の字飛行の試験では減点区画に何度か入ってしまい、警告音が鳴ることでさらに焦ってしまいました。
皆様の受験の参考になれば幸いです。
丁寧にお答えします
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